福祉機器の未来を担う 学生起業家、安田 創さん。

インタビュー

札幌を中心に北海道で活動する若手起業家を、多彩な工作機械だけでなく情報発信からも応援したいとスタートした「シェアガレーヂ ~SAPPORO ものづくりコミュニティ~」。今回インタビューのマイクを向けたのは、スタッフ土山と大学時代同級生だった学生起業家の安田創さん。札幌市立大学大学院デザイン研究科で活動する傍ら、ピッチコンテストに参加し自身の研究をビジネスプランとして提案しています。雪国でくらす人たちのために、車椅子で生活する安田さん自身の経験や願いが込められた新しいスマートモビリティ(※1)を開発する姿をお届けしようと思います!

安田 創(やすだ はじめ)さん
2012年4月 札幌市立大学 デザイン学部 入学
2016年3月 NPO法人北のユニバーサルデザイン協議会 加入
2016年7月 平成28年度ECOMO交通バリアフリー研究助成 獲得
日本デザイン学会 第63回研究発表大会
2016年4月 札幌市立大学大学院 デザイン研究科 入学
2017年7月 日本デザイン学会 第64回研究発表大会
2017年10月 No Maps NEDO Dream Pitch NEDO TCP賞受賞

ー大学ではどのような研究をしているんですか?

「大学ではプロダクトデザインを専攻していて、学部生の時は「Asuka(アスカ)」という車椅子用の取付式雪道走行補助ツールの研究をしていました。同期だった土山くんに「No Maps NEDO Dream Pitch」(※2)を紹介してもらって、齊藤さん(※3)と相談しながらAsukaをビジネスモデルへと変更しました。それが「norico(ノリコ)」という積雪寒冷地用スマートモビリティで、現在その開発に向けて活動しています。」

ーピッチコンテストに出たことで何か変わったことはありますか?

「メンターの人がついたのが大きかったです。プレゼンシートを作るコツとか、人脈を広げる手助けをしてくれたり、若手起業家に向けたアドバイスが充実しているんです。ピッチコンテストに参加してからは、たくさんの起業家の人たちと繋がることができたし、別のコンテストの情報や参加案内を頂いたり、刺激をたくさんもらうことができました。あと、起業してものづくりをするっていう意識が強くなりましたね。研究という形で終わりにするんじゃなくて、製品として形にするために自分の仕事にしようと決意できました。そして、今回のピッチコンテストで「NEDO TCP賞」を受賞することができました。自分の研究していたことがビジネスプランとしても認められたことが嬉しかったです。周りの人たちも期待してくれて、自信になった、、、というわけではないですが、後戻りできなくなったなあと。。。。いい意味ですよ(笑」

No Maps NEDO Dream Pitchに参加した時の様子

ーものづくりに目覚めたきっかけを教えてください。

「両親が建築関係の仕事をしているんです。父親は建築設計をやっていて、母親は店舗設計をしていました。あと、おじいちゃんが看板屋さんから起業してグラフィックデザイナーとして社長をしています。ものづくり一家なんですが、実はそのこと自体をあまり意識したことはありません(笑。でも小さい頃から図画工作や絵を描くことが好きでした。そこからずっと建築士になりたかったんですけど、高校で進路を考えた時に、やっぱりデザインかなあって思ったんです。建築とか設計のことを考えながらも、デザインの分野にも興味があったのかもしれません。札幌市立大学のオープンキャンパスに行ったことが大きかったと思います。」

ーなぜ車椅子のデザインをしようと思ったんですか?

「本当は、車椅子とか福祉関係のデザインをするのを避けていたんです。僕がこれをやってしまうとずるいかなあとか、誰も文句言えないんじゃないのかなあと思って。僕が欲しいと思っているからニーズがあるんです!って思われるんじゃないかって気にしてました。でも、大学3年生の時の授業課題で、初めて積雪寒冷地をテーマにした車椅子を提案したんです。先生や同級生たちがすごく興味を持ってくれて、他の課題でも福祉関係のデザインを提案していきました。そのうちこれが自分のやるべきデザインなんだって思うようになりましたね。」

ーどうやってデザインを考えているんですか?

「僕はスケッチという手段を使わず、最初から3DCADを使って機構を組み立てていき、それにあったフレームをデザインしていくっていう感じでデザインしています。最初から立体的に考えられるし、3Dプリンターがあればすぐに手元で確認できるのが楽なので。でもその分スタイリングに苦労しますね。実はイメージしているゴールが基本的にないんです笑 なので手探りでデザインしています。レゴブロックで形を積み上げていくような感覚です。個人的な意見ですけど、シンプルなデザインがあまり好きではなくて、ちょっと変な感じのデザインの方が愛着が湧きませんか?意識的にそうしているわけではないんですが、僕のデザインには自然と「ちょっと変な感じ」含まれていますね。」

ー安田さんのデザインの原動力は?

「一番大きな原動力は、周りの期待に応えたいっていう気持ちですね。これはピッチコンテストに出たおかげです。大学の活動では、自分のやっていることは”研究”なのか”制作”なのかっていうモヤモヤ感がずっとあったんです。そんな時、ピッチコンテストに出たことで、実際に起業している人たちや、自分の活動に協力してくれる企業の人たちと出会える機会が増えたことで、自分のやりたいことがハッキリわかったんです。今取り組んでいることを、研究だけで終わらせないでちゃんと形にしないといけないなって」

ー起業家として活動するためには何が必要だと思いますか?

「いろんな人に会って、たくさん話を聞くことが大事だと思います。僕が取り組んでいる分野は福祉機器なので、その方々と仲良くなってコミュニティの中にしっかり入る必要があります。何か新しいことを始めると必ず文句を言ってくる人がいるから、同じ分野の人たちとは早めに知り合いになった方がいいよってアドバイスをもらいました。製品のブラッシュアップと人脈を広げるために、これからも色んなピッチコンテストに参加していこうと思っています。」

ーSHAREに来て何か変わりましたか?

「全てが変わりました(笑。創業するためにどうすればいいのかっていう具体的なアドバイスが聞けたのが大きかったです。そして、「No Maps NEDO Dream Pitch」を紹介してもらい、大学での研究内容をビジネスプランへブラッシュアップするためのアドバイスも頂いたおかげで、賞をいただくことができたと思います。あと、実際に個人事業主として活動している人たちがたくさんいるので、そういう人たちと出会える場があるおかげで、起業するっていうイメージがつきやすかったです。これからもSHAREにいる個人事業主の方たちとたくさんお話できる機会があればいいなと思います。」

ー今後の目標を教えてください。

「まずは大学を卒業します(笑。在学中に1分の1スケールの実働モデルを作って、別のピッチコンテストに参加します。そして2年後には販売できるように出資者を探して製品化まで頑張りたいと思っています。」

ーでは最後に、ものづくりをビジネスにしたいと考えている人に向けて一言お願いします。

「僕が言うのもおこがましいですが、、、(笑。やっぱり、失敗を恐れずに挑戦してみることが大事だと思います。自分のアイデアは、当然ですがみんなが賛成してくれるわけじゃありません。でも、そこを回避してもいいものは生まれないですよね。あと、どうせ失敗するんだからやったほうがいいっていうのもあります。僕は学生で、失敗する確率の方が高いじゃないですか。でも、1度ピッチコンテストに参加しただけで、世界が大きく変わりました。協力してくれる人や、アドバイスをくれる人など、色んな人に出会うことができます。どうせ失敗するならって気持ちで色々やってみた方がいいと思います。。。。自分にも言い聞かせています笑」

creators file 第4号の安田創さん、ありがとうございました!noricoが雪国で暮らす人たちの元に届く日を心より楽しみにしています!

SHAREGARAGEはものづくりをビジネスにする起業家、個人事業主の方をサポートしていきたいと考えています。3Dプリンターやレーザーカッターといった工作機械を使えば、自分のアイデアをすぐ形にすることができ、商品制作のモックアップを作ることもできますので、チャレンジしてみたい人はお気軽にご相談ください。

※1)スマートモビリティ・・・ICT(情報通信技術)を利用した超小型モビリティ

※2)No Maps NEDO Dream Pitch・・・北海道にゆかりのある起業家、起業家予備群、起業意識のある研究者、技術を基に起業して事業を大きく拡大させたいと考えている人たちを支援するためのプログラムで、専門家によるビジネスプランの作成支援・メンタリングやビジネスに結び付けるための大企業・ベンチャーキャピタル等へのビジネスプラン発表、ネットワーキング、マッチングを行うイベント。
※3)齊藤さん・・・齊藤隆(ものづくりオフィスSHARE代表取締役)
今すぐSHAREGARAGEを無料相談してみよう!
あなたの作品がSHAREGARAGEの工作機械でより魅力的な作品になります。

工作機械を使えたら、もっと効率的に、仕上がりも綺麗になるのにと感じたことはありませんか?
無料相談会で、どうしたら効率的にできるのか。さらに魅力的にする方法を確かめることができます。

工作機械無料相談会申込み
  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事一覧