靴磨き職人 岡本英弥さん

インタビュー

ひとりでも多くの人を笑顔に
靴磨き職人 岡本英弥さん

札幌を中心に北海道で活動するクリエイターを、多彩な工作機械だけでなく情報発信からも応援したいとスタートした「 SHAREGARAGE ~ SAPPORO ものづくりコミュニティ~」。今回インタビューのマイクを向けたのは、札幌で唯一『靴磨き職人』として活動する岡本英弥さん。岡本さんがどうして靴磨きの世界に興味を持ったのか、どういうきっかけで職人として活動を始めようと思ったのかについてお聞きしました。また、今回は札幌で唯一セミオーダーで革靴を製作する『作り手兼デザイナー』Wataru.Nさんと一緒に、SHAREGARAGEとコラボレーションした『靴磨きワークショップ』を開催していただくことになりました!

岡本英弥 靴磨き職人
北海道芸術デザイン専門学校を卒業後、アパレル業界に就職しアメカジのエンジニアブーツの手入れをきっかけに靴の手入れを始める。その後自身の革靴を磨く際に知った『鏡面磨き』に衝撃を受け、自分の靴だけでなく職場の人たちの革靴も磨き始める。その時お礼として上司からもらった千円をきっかけに、靴磨きを仕事にしようと決意する。現在はすすきの『Café BAR Arther Garage』で定期的に靴磨きのイベントを行い、預かりで靴磨きも請け負っている。
2018年3月に『SAPHIR SHOECARE TRAINER』の資格を取得し、靴磨き職人として本格的に活動を始める。
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長く履くために始めた革靴の手入れー

ー最初から靴磨きの職人になろうと思っていたんですか?

「実は僕、最初はデザイナーになりたかったんです。『プロフェッショナル 仕事の流儀』でデザイナーの佐藤可士和さんを特集した回を観てすごく感動して、高校を卒業してからデザイン系の専門学校に進学したんです。でも在学中にOBの人たちから、デザイン業界の過酷な話とかを色々聞いてしまって、デザイナーになりたくないと思ったんです。でも、ファッションとか洋服が好きだったので、卒業制作の時にデニムパンツを一からオリジナルで作ったんです。専門学校時代の最後の1年間は『デニムパンツの作り方』をずっと勉強して、自分の好きなものを形にするために必死でした(笑)」

ー専門学校卒業時にはまだ靴磨きの世界に入るきっかけが訪れなかったんですね。

「そうですね。学校を卒業する時に、自分はデザインやものづくりよりも『服』の方が好きなんだってことがわかったのでアパレル業界に就職したんです。最初はブランドのショップ定員として働いていたんですけど、新品の服を売っている自分に『違うな』って感じてしまったんです。デニムパンツが好きだったこともあって、ヴィンテージとかそっちの世界に行くために、服飾系のリサイクルショップに転職しました。その時、お客さんがアメカジのエンジニアブーツ持ってきた時にすごく欲しくて革靴を履くようになりました。ちょうどその頃、『夢をかなえるゾウ』っていうテレビドラマが放送されてたんですけど、そのドラマに出てくるガネーシャっていう神様の課題で『靴を磨け』っていうのがあったんです。あれを観て素直に磨こうと思ったし、せっかくなら長く履きたいということで『手入れしよう』と思ったのが靴磨きとの最初の出会いでした。」


好きなことをしてお金がもらえる!?ー

ー靴磨きを仕事にしようと思ったきっかけは何ですか?

「自分で買った革靴を手入れをしている時に『もっと上手く磨くためにはどうすればいいんだろう?』って思って、ネットで色々調べるようになったんです。その時、鏡面磨きっていう顔が写り込むくらいまで靴の表面が光り輝く磨き方があるのを知ったんです。『何だこれ!?こんな磨き方があるのか!?』って本当に衝撃でした。自分の想像をはるかに超えたものを見て、自分の革靴もここまでしたいと思って磨いていたんですけど、持ってる革靴ってせいぜい1、2足じゃないですか。そこで、職場の人たちの革靴を磨かせて欲しいってお願いしてやらせてもらったんです。自分で靴を磨いてもすごく嬉しい気持ちになるんだったら、他の人ならもっと喜んでくれるんじゃないかなって(笑)そして、上司から靴磨きのお礼として千円もらったんです。その時『自分の好きなことをやってお金が生まれた!これでご飯が食べれるようになれたらすごく幸せだろうな』って思ったんです。そして“靴磨きを仕事にしたい”って思うようになりました。」

バーの一画を借りて定期的に靴磨きのイベントをやってますー

ー現在はどのような活動を行なっていますか?

「すすきのにある『Café BAR Arther Garage』さんで定期的にブースを借りて靴磨きのイベントをやらせていただいています。他にも靴磨きの講習会を開催したり、法人様への出張訪問という形で靴磨きをしたりしています。あとはお預かで磨かせていただくこともあります。

ー法人訪問では勤務中に岡本さんに靴を磨いてもらえるということですか?

「そうですね。事前に会社の方と相談させていただいて『何月何日のこの時間帯で靴磨きお願いできない?』って感じで出張してます。それとは別にデザイン事務所の社員さんへの靴磨きワークショップをさせていただいたこともあって、その時は参加者の方に靴磨きの道具を持参してもらって一緒に磨きの講習をしたこともあります。」

ー委託での靴磨きはどのように請け負っているんですか?

「僕のFacebookからメッセージをいただいて、直接お会いしてからどういう風に磨くのかを相談することもあります。また、定期的にイベントをやっているので、そこにいらっしゃったお客様がその日は磨いて欲しい靴を持ち合わせていないっていう場合は、後日連絡を取り合って靴磨きを請け負うこともあります。磨かせていただいた靴は大体2週間程度でお返ししています。」

靴の表情を崩さない磨き技ー

ー普段どんなことを意識して靴を磨いているんですか?

「極力靴の表情を崩さないように磨くことを意識しています。あとはお客様の思い通りになるように、対面で磨いてる時は『どういう風にしますか』ってコミュニケーションをとりながら磨きます。すごいピカピカにするのが好きな人もいますし、ちょっとマットに仕上げて欲しい人もいるので、その要望を簡単にお聞きしながら持ち主のイメージに近づけるように心がけています。あとは、お客様の靴の状態を見てこうした方がいいなって提案することもあります。例えば、靴の先端が傷ついていたら先端に黒を入れてグラデーションにすることで先端の傷も消えるし、靴の表情も残しつつアンティークっぽい雰囲気に仕上げれます。今までとは表情の違う靴に出会えるし、傷も消えるしいいとこ取りなんですよね。そんな感じで磨かせていただいたりしてます。」

やっぱりお客様が喜んでくれるのが一番嬉しいー

ー靴磨きをする中での苦しみはありますか?

「なかなか自分のイメージ通りにならない時が一番苦しいですね。僕はいつも靴を磨く時はゴールを決めてから始めるんです。その時ゴールに向かってまっすぐ進めればいいんですけど、途中であれ?って道が逸れた時の軌道修正が大変なんですよね。色合わないなとか、磨きどうしようかなって。こうなってしまった時の解決策は、とにかく自分が納得いくまで磨くのみ!です(笑)。」

ーやりがいはなんですか?

「それはやっぱり磨き終わった後に『すごいね!』『めちゃめちゃ綺麗だね』って言葉が一番やってて気持ちが高まる瞬間ですね。人の靴を預かるって、正直すごくデリケートなことだと思うんですよ。でもお客様が預けてくれた靴への思いが強ければ強いほど、絶対やってやろうって気持ちになります。『ちょっと傷がついちゃってあきらめてたんだよね。』って言われた時は、絶対お客様を喜ばせてあげたくなります。」

靴をお預かりする上で大事なのは、自分を知ってもらうことー

ー岡本さんが認知度を上げるために取り組んでいることはなんですか?

「今だとSNSですね。Twitter、facebook、Instagramは絶対ですよね。あとは自分のチラシを知り合いのお店の方に置かせてもらったり、イベントに来ていただいた方に名刺配ったりしてます。必ず自分からアクションを起こすようにしていて、一人でも多くのひとに、ネット上で済まさず直接手渡しするっていうのを大事にしています。SNSで自分の磨いた靴を載せたりしてるのは、自分の実績を見てもらうのに楽だからです。でもSNSだけじゃパーソナルな部分ってよくわからないじゃないですか。靴ってある一定の信頼関係がないと預けたくないものだと思うので、“直接あって自分を知ってもらう”っていうのが僕の活動で一番大事なことですね。」

北海道で働くすべての人たちの靴を磨きたいー

ー今後の目標を教えてください。

「2019年の4月に自分のお店を出すっていう目標に向かって頑張っています。でもこれは近々の目標で、最終的な目標は『北海道一の靴磨き職人になること』です。“靴磨き”といったら岡本英弥の名前が出てくるようになりたいですね。そうなったら次は道外、全国からオーダーが入るようになっていきたいです。でもまずは、自分が生まれた北海道で働く人たちの靴を綺麗に磨きたいですね。」

小さなきっかけから好きなことは生まれるー

ー好きなことを仕事にするためにはどうすればいいですか?

「やりたいことがあればやっちゃえばいいんです!やれない理由があるのはわかります。これがあるからとか、仕事の関係でとか。でも時間がないからこそやればいいのになって思うんですよね。僕もまだ28ですけど、あれやっとけばよかったなってことがないように、これ好きだなって思ったら突き進んでます(笑)。悔いのないようにしたいんです。もし好きなことをやる時間を確保できないなら、単純に寝なければ時間は作れます!あと、自分の好きなことが何かわからないって人もいると思うんですけど、そういう人は『自分って何が好きなのかな』って考えることが一番いいのかなって思います。僕もそうやって見つけたので。きっかけはどこにあるかわからないからこそ、『これいいなあ』とか『この時間が楽しいな』って思える小さなきっかけを大事にしてなんでもやってみるべきだと思います。」

ここからはWataru.Nさんと岡本さん、お二人にSHAREについてお聞きしました。

ーSHAREのことは以前からご存知でしたか?

Wataru.Nさんー「僕はWEB上でしか知らなかったです。」

岡本さんー「僕は以前ここをイベントで使わせてもらっていたので知ってました。F’kitaさんの企画で靴磨き講習会っていうのをやらせていただきました。その時初めて人前で靴磨きについて講演したので緊張したんですけど、すごく楽しかったです。」

ー今後SHAREとどうコラボレーションできると思いますか?」

Wataru.Nさんー「工作機械を使ったノベルティ製作ですかね。今だと靴袋などをノベルティとして製作しているんですけど、例えばブランドタグであったり、そういうのが作れたらいいなあって思ってます。安価でブランド力を上げれるなら利用したいなっていう思いはあります。」

岡本さんー「僕は何かものを作っているわけではありませんが、今回のイベントのような“ワークショップ”というスタイルでSHAREさんのスペースとコラボレーションしていけるんじゃないかなって思ってます。」

Wataru.Nさん、岡本さんありがとうございました!

お二人に開催していただくスペシャルイベントの詳細はイベントフライヤーをご確認ください!

イベントの様子はこちらのスタッフブログからご覧頂けます。(2018年11月23日公開予定)

creators file 第14号の岡本英弥さん、ありがとうございました!

SHAREGARAGEは作家さんの活動をサポートしていきたいと考えています。ワークショップを開催したいけど場所がない、自分で広報活動をする余裕がない、などの問題を一緒に解決していくことができます。また、レーザーカッターやUVプリンターといった多彩な工作機械とコラボレーションしたワークショップを企画開催することもできますので、ぜひご相談ください!

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