陶器を写したようなお皿を 道内産の木材から削り出す 木工挽物・家具 クドウテツトさん。

インタビュー

札幌を中心に北海道で活動するクリエイターを、多彩な工作機械だけでなく情報発信からも応援したいとスタートした「シェアガレーヂ ~SAPPORO ものづくりコミュニティ~」。今回インタビューのマイクを向けたのは木工挽物職人のクドウテツトさん。穏やかな雰囲気のクドウさんは、道内産の木材にこだわったものづくりで、旋盤で加工した器や、ひとつひとつ丁寧に作られたアクセサリーなど、日常にそっと溶け込むような製品を制作しています。そんなクドウさんに、ものづくりへの思いや、原動力などをお聴かせいただきました。

クドウ テツトさん木工挽物職人。
時代を渡って手に取ってもらえるものを樹の生長してきた跡を造形のひとつとして木の器やピアスなどの装飾品を、挽物や指物で北海道 札幌を拠点に製作しています。

1987 札幌生まれ
2008 札幌市立高等専門学校 建築デザイン 卒業
2010 札幌市立大学 空間デザイン 卒業
2012 東京都立城南職業能力開発センター 木工科 修了
2014 秋より個人製作を始めました。

ーものづくりに目覚めたきっかけはなんですか?

「純粋に自分で物を作るってことに目覚めたきっかけは、小学校2年生の頃に親が家を建ててる現場を見学しにいったことでした。大工さんが家を建ててる姿を見て、なんか自分の家作るのっていいなあって思ったんです。そして4年生の自由研究で家の模型を作ったりしました。家を自分の好きなように作れるのはいいなって思ったのが、ものづくりの一番最初の原点ですね。」

ー木工職人さんとしてものづくりを始めたきっかけはなんですか?

「中学校を卒業して、札幌市立高等専門学校、札幌市立大学に進学しました。キャンバスの中に木工室があるんですけど、そこに入り浸っているうちに職員さんとも仲良くなって、機械を使ってものづくりをするようになりました。自分で作りたいっていう思いから学校に入って、作れる環境ができて、作るための知識を学んで、実際にできるぞってなった時に、建築だと図面をひくことしかできない。そこからちょっとずれて自分で実際に作れる木工に出会いました。そして一番最初に形にしたのが簡単な椅子でした。」

ーものづくりのスタンスを教えてください。

「基本的には自分が欲しいものしか作らないです(笑)。ものづくりの原点になった親が家を建てる現場を見た時、ハウスメーカーさんと打ち合わせをしてデザインを決めていくやり方ではなく、自分で自由にしたいっていう思いが、商品として器を作るときにもあります。注文があって制作するときは、お客様と打ち合わせして、お客様が欲しいと思っているものを探して作っています。」

ー北海道産の木材にこだわって商品制作をする理由はなんですか?

「北海道で生まれて、北海道で育って、今北海道でものづくりをしています。なので、同じ北海道で活動する林業の方、製材業の方達を応援したいっていう気持ちがあります。あと、北海道と本州では似たような品種があったりするんですけど、実際材料として使ってみると少し違ったりするんですよね。桜なんかは特に本州のと比べて色味が濃かったりとか。それを北海道という名前で出して、その違いに気づいて欲しいなっていうのがあって使っています。」


クドウさんが使用している北海道白老産のモミジ・シラカバ

ークドウさんの商品の中に、木の節などを残したまま制作したものがありますが、その理由はなんですか?

「節とかがあったほうが、自分にとっては魅力的な木目なんですよね。例えば、種類にもよるんですけど、節の周りの部分がギュウッと圧縮されて、光に当てるとキラキラ光ったりとか、そういうのが面白いなって思ってて。でも使い勝手とかを考えると節がないほうがってなる時もあります。穴として開いちゃってると使いづらかったりするので、日常の器として作るというよりは、鑑賞用、芸術作品的な立ち位置として作り分けることもあります。」

ー器ってシンプルなデザインに収まりがちだと思うのですが、そこに個性や自分のデザインを入れる際に意識していることはありますか?

「デザインで個性を出すっていうのも、普遍的な形、ありふれている形だけど使いやすくて昔からある形を意識して製作しています。器として参考にしているのは陶器の器ですね。焼き物の器を実際に見て、こういう形がいいなっていうものを写すように制作しています。ただ、焼き物の器と木の器って作り方が全く違うので、陶器の器の形をそのまま木の器で作ろうとすると難しいんですよね。ただ、それがうまくできるようになると面白いなって。木の器って作りやすい形に収まりやすいんですよね。それってあんまり面白くないっていうか、木の良さを活かしきれてないと思うんです。自分の技術が足りなくてやりやすい方に流れるんじゃなくて、本当に木の素材としての美しさと、形としての美しさを両立させられるものにしたいと思っています。」

ーものづくりの原動力は?

「やっぱり自分で作るのが楽しいってことですね。工房で作業をしてて、いいのができたなあとか、木を繋がったまま削り出せた時とか、一人でニヤニヤしてます(笑)。あと、本当にいいなって思った商品は手放したくなくなっちゃうんですよね、売り物として作るんですけど(笑)。たまにいくつかは自分の手元に置いたままにしています。」

ー今ものづくりを始めたいと思っている人に向けてアドバイスをお願いします。

「今はものづくりの幅がすごく広がっていて、簡単に始められる分野がたくさんあると思います。そして、ハンドメイドマーケットがインターネットを通じて世界のお客様と簡単につながれるようになりました。でも、たくさんの人たちが利用するようになったことで、そのたくさんの人の中に埋もれやすくなってしまっています。僕自身、どうしようと考えた時に、今までずっと作るばっかりだったので、もっと売るための努力をしなきゃいけないと思いました。インターネットで広告を出すこともいいと思いますけど、実際に自分の商品を取り扱ってくれそうなお店の人と会って、人柄を見てもらうことが大事だと思います。作るのにこもっている時間も大事なんですけど、お店の人だったり、お客さんと直接会って話せる場所だったり、そういうところに足を運んでいかないとって。」

ー今後ものづくりオフィスSHAREとどんなコラボレーションができると思いますか?

「やっぱり木材と相性のいいレーザーカッターですね。複雑な紋様のガイドラインをレーザープリントして、その上から手作業で彫っていったり。あとはUVプリンターも木材に合うんじゃないかなって思いました。例えば写真を木にプリントしてみるとか。フォトフレームを自分で作るワークショップと合わせて、最後に思い出の写真をプリントするといいものができるんじゃないかな。」

ーでは、クドウさんにバトンタッチします。ワークショップ「紋様木彫り皿」よろしくお願いいたします。

①デザインを決める。

クドウさんー「今回サンプルで用意したデザインは「縞紋様」「市松紋様」「ヘリボーン」の3種類です。」
お客さんー「う~ん、一個に絞れない。。。紋様を組み合わせて挑戦してみます!」
お客さんー「お皿のどこに彫っても難易度は同じですか?」
クドウさんー「お皿の端に少し角度がついているので、その部分は彫刻刀で彫りづらいので難しくなります。」

②墨付けをする。

クドウさんー「デザイン案を木皿に墨付けしていきます。5mmピッチで目盛りがついている定規を使って紋様を描いていきます。円形のデザインがある方は、中心がずれないように墨付けします。木皿は旋盤で加工しているので、光にかざすと中心部分が反射して浮かび上がってきます。」


③紋様を彫刻する。

クドウさんー「彫刻刀を使うときは、あまり力を入れ過ぎないのがコツです。力を入れすぎると刃先が滑って危険ですし、彫りの深さが一定に保ちづらいです。1回目では線がつく程度に表面を削り、2回目から彫り進めていきます。」
お客さんー「久しぶりに彫刻刀を使うのでなかなか大変。」

④やすりがけをする。

クドウさんー「紋様が彫り終わったら、溝に沿ってやすりがけしていきます。紋様が消えないように注意してください。」
お客さんー「大変でしたけど、すごく綺麗に紋様を掘ることができました!」

⑤えごま油で仕上げる。

クドウさんー「最後に、食用のえごま油を使って仕上げていきます。」
お客さんー「油を塗ったところの色がすごく変わりました!」
クドウさんー「その変わった色が、その木材が持つ本来の色なんです。また、今回の仕上げ後、約2週間は油を染み込ませるための期間を設けてください。この辺りで油が手につかなくなります。そして2ヶ月くらいすると染み込んだ油が樹脂化していきます。」

お客さんー「使うのがもったいないくらいかわいくできました!」
お客さんー「すごく大変でしたけど楽しかったです。大事に使います。」

creators file 第3号のクドウテツトさん、ありがとうございました!またクドウさんと一緒にワークショップを開催していきますので、皆様のご参加を心よりお待ちしております!

SHAREGARAGEは作家さんの活動をサポートしていきたいと考えています。ワークショップを開催したいけど場所がない、自分で広報活動をする余裕がない、などの問題を一緒に解決していくことができます。また、レーザーカッターやUVプリンターといった多彩な工作機械とコラボレーションしたワークショップを企画開催することもできますので、ぜひご相談ください!

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