ハンディキャップも自分の武器に “福祉”と“ものづくり”の架け橋を目指して エムブイピークリエイティブジャパン 大海恵聖さん

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札幌を中心に北海道で活動するクリエイターを、多彩な工作機械だけでなく情報発信からも応援したいとスタートした「 SHAREGARAGE ~ SAPPORO ものづくりコミュニティ~」。今回インタビューのマイクを向けたのは、「にっぽんの福祉をかわいくしたい」をコンセプトにアクティブに活動している大海恵聖さん。2014年からSHAREをオフィス利用しながら、工作機械を使ったものづくりをしている会員さんです。気さくな人柄とパワフルな行動力で多方面から頼りにされる大海さんが、どういうきっかけでものづくりに目覚めて現在の活動を始めるようになったのか、どうしてSHAREを利用しているのかについてお聞きしました。

大海恵聖さん 株式会社エムブイピークリエイティブジャパン 代表取締役
2014年1月にものづくりオフィスSHAREに事務所を構える。
「にっぽんの福祉をかわいくしたい」をコンセプトに、福祉用具であっても「それ!かわいいね!」から始めるユニバーサルコミュニケーションツールを企画・開発・販売している。
本格的な工作機械を備える施設に事務所を構えることで、企画・制作・販売までのスピードや、大企業ではできない顧客対応や新商品開発・販売を行う。
自身の発病から「障がい」という誰にでもいつでも起こりうる体の変化を痛感したことをきっかけに、「福祉」と「ものづくり」の中間の立ち位置から、障がい者就労支援などにおいて「敷居の低い」「声のかけやすい」相談相手として、商品企画・開発やイベントの企画運営などの活動を行う。
株式会社エムブイピークリエイティブジャパン ホームページhttp://dekotsue.com

 

幼少期から何かを作るのが好きだったー

ー大海さんがものづくりに目覚めたきっかけを教えてください。

「小さい頃から、一人で黙々と泥団子作ったり、タンポポで草冠作ったり、でっかいかまくら作ったりして遊んでたんだよね。だから図工の時間とかもすごい大好きだった。中学校の美術の授業で、ギリシャ彫刻をデッサンする課題があったんだけど、1回の授業で終わらないから裏に名前書いて一旦回収されるでしょ。次の日、回収された作品を配ってた時に、『これめっちゃ上手じゃない?!誰の!?』って言って裏めくったら自分の名前が書いてあったの。その時のみんなのシーンとした反応ね(笑)。」

私はもともと編み物を専門でやってたんだよー

ーどういう経緯で編み物の先生になったんですか?

「高校を卒業したあと、銀行に就職したの。4年くらい働いた後に結婚することになって、会社やめたらやることがなくて(笑)、親類のすすめで編み物教室に通うことに。そこは機械編みの教室だったんだけど、コンテストに出品したら入賞した(笑)。子供が生まれてからは、機械が近くにあると危ないからって機械編みは出来なくなっちゃったんだけど、子供がある程度大きくなった時に、草木染の商品をホテルの売店で販売しているお店から仕事がきて編んだものや、染めた羊毛をコースターに織ったりオーダーメイドでバッグにしたり。そのあとは自宅近くに縫製工場が出来て“そういうのもやってみたいな”って働いてみた(笑)。そこから編み物の世界から離れてたんだけど、知り合いに『手芸教室をやってほしい』って頼まれたのをきっかけに[公益財団法人日本手芸普及協会]の資格をとり、編み物の先生になったって感じかな。」

編み物は図面がなくても形を作れるー

ー今の大海さんからは想像できない専門性で驚きました。

「SHAREの人たちにはよく言われる(笑)。ちなみにうちの子供たちは全員編み物できる息子もね!(笑)。編み物って、図面がなくても作りたいものを見ながら編めば自然と形になっていくんだよね。間違ってもやり直せるし。あと、いまどきだからこそ編み物できたらかっこよくない?(笑)。」

関節リウマチの発症ー

ー今は編み物はやられていないんですか?

「2010年からリウマチになって、手とか指先を器用に動かすのが難しくなっちゃって。いまは、時間があるときにゆっくり編む時間を楽しむ感じかな。」

ー大海さんはいつもお元気なので、リウマチを患ってるようには見えませんでした。

「もう8年くらいの付き合い。でも、最初の1年くらいは不貞腐れ生活を送ってたよー(笑)。リウマチだってわかった時は超早期で偶然見つかって、診断の翌日から免疫抑制剤を飲めって言われても納得できなかったよね。薬飲めば具合も、気持ちも悪くなるし。そこからどんどん症状が強くなって、手は上がらないし、関節痛も酷くなるし、ひどい倦怠感で生活態度も悪くなって家族にも迷惑をかけた。だけど、このままの生活をしてら“病気に負け”だなって思ったの。」

デコ杖との出会いー

ー今の活動を始めようと思ったきっかけはなんですか?

「その頃銀行のロビーで働いていたんだけど、キラキラの杖を持った女性が来店したの。杖にスワロフスキーがいっぱい貼ってあって、すごい可愛かった。自分はリウマチで腕が痛いから杖は持てないんだけど、なんだー!これっー!て思って。仕事中だったけど『すいません、これどこで買ったんですか?』って聞いたら『自分で作りました。』って。その人は股関節の手術をして、1年だけ絶対に杖を使って生活しなければいけなくて、好みの杖を探したけど欲しいと思えるかっこいい杖がないからスワロフスキーを買って自分でつけましたって言われたの。それをきいて、私は1個1個つけるみたいな細かい作業はできないなーって思ったんだけど、シールでこういうのがあったらいいんじゃない!?「デコ杖」っていうのを作ろう!って思いついたのが、今の活動の原点。そのあと銀行を辞めるまでにある程度期間があったから、仕事中に自分の会社の名前とかデコ杖ってネーミングやロゴもそのとき考えて、ちっちゃい付箋に書いたりしてた(笑)。」

デコ杖は会社の原点だけどー

ー最初に作った商品は「デコ杖」だったんですか?

「そうなんだけど、すごいそそっかしくて失敗したことがあって(笑)。銀行やめる前に商標登録しに行ったんだけど「dekotsue」の「tsu」を「thu」で登録しちゃって。慌てて次の日特許庁に連絡したんだけど、取り消しできませんってなって、もう一回商標登録し直したから出願料一回分無駄になっちゃった(笑)。今は、今までの物より“よりよいデコ杖シール”を開発中!」

私はめちゃめちゃ活動家ー

ー現在どのような活動をしているんですか?

「めちゃめちゃ、活動家みたいになってますよ(笑)。車いすユーザのイベントとか映画のバリアフリー上映会とか、ウォーリーに扮した仮装イベントとか。スタンスとしては、あんまり内容にこだわらないで必要とされたから行くって感じ。例えば、ウォーリーのイベントもただの仮装イベントじゃなくて、みんな楽しんでるんだけどいつのまにか世に中の役に立ってたよね的な、福祉要素で企画したことで、色んな人が参加してくれた。あとは、自分の立ち位置が福祉系とものづくり系の中間にあるなーとおもっているので、障がいがあったり・私くらい年齢の人たちが3Dプリンターを使ってものづくりができるようになるための講座を企画してみたり。」

いつでも楽しそうと思われるような人生にしたいー

ー大海さんのビジネスの原動力はなんですか?

「私が死んだ時、自分の子供たちに『お母さん、毎日楽しそうにしてたよね』って言われたいなーって。そういう風に生きていたいっていうのが根本にある。病気になったことでいつ体が動かなくなるかも、手が動かなくなるかも、いつ死ぬかもわからないじゃない?そういうことを考えてきたからこそ、いろんなタイミングが『次はない』って思える。来たチャンスは絶対掴みにいかなきゃいけないし、準備してないと乗っかれないから、常に全力疾走って感じ(笑)。病気にならないとこう思えなかっただろうし、最初に不貞腐れてた期間は必要だったんだなあって思う。」

周りがついてこれないスピードでー

ー産みの苦しみはありますか?

「苦しいことはそんなにないかなー。自分が思ういいと思うものを作ってるだけだから、すごく楽しい。3Dプリンターとかで作った商品も、すっごい細かい部分とかがうまくプリント出来たときとか、みんなに自慢したくなるくらい(笑)。注意していることは、自分の考えた言葉が先に商標登録されてないかとか、特許のサイトで調べてるよ。せっかくいいコンセプトでものづくりしても、「それ、つかわないでね」ってなったらもうだめだし。逆に、もしこれから、自分の商品が誰かに真似されたとしても、どんどん新しいものを作っていって、周りがおいつけないくらいのスピードでやっていかないとって思ってる。」

自分をどんどん露出してキャラを覚えてもらうー

ー認知度を上げるためにどんなことをしていますか?

「どんな場所にも露出していく!顔出ししてなんぼだと思う(笑)。人となりがわからないとみんな応援してくれないし、商品も買ってくれない。だから自虐ネタも多い(笑)。ビジネスコンペとかに提出する添付資料に、今まで取り上げられて来たテレビとかラジオとか情報誌とかを紹介すると、プレゼンテーションの時に威力を発揮するし、検索も上位になるから。あとは、顔は覚えてもらえなくてもキャラを根付かせることを意識!私の場合、イメージカラーは赤で統一してる。セルフプロデュースは大事!」

ーSNSで気をつけていることはありますか?

「ネガティブなこととか、誰が見ても嫌な思いをしないようにとか、何回も見直して修正してる。1時間くらいかけて文章つくるかな。Facebookは仕事メインだから、宣伝8:プライベート2くらいの割合になるように。インスタグラムは最近やり始めたばかりだけど、ハッシュタグとかも投稿写真に合わせてちゃんとやってるよ(笑)。最近は『インスタグラムのコメントの答え方』的な、私みたいな初心者用サイトがちゃんとあるのね。私がデザインしているものは見ただけでわかりやすい商品だし、SNSのおかげで誰でも簡単に商品を世に出せるツールがたくさんあるのは嬉しいよね。」

“福祉”と“ものづくり”の架け橋になりたいー

ー今後の目標を教えてください。

「立ち止まらず、いろんなパイオニアとして活動していきたいな。誰もやってないことをやりたいし、誰も作ってないものを作りたい。福祉とものづくりって、一緒にやったら面白いことたくさんあるっておもうからそういう仕事にもっと積極的に取り組んでいきたい。あと、今年の目標の一つは海外販売!色々難しいこともたくさんあると思うけど、地道にコツコツいろんなことにチャレンジしていきたいな。」

失敗することが大事。経験にもなるしネタにもなるー

ーものづくりやビジネスで一歩踏み出したい人へアドバイスをお願いします。

「作ったものは世の中に出してみないと本当の反応なんてわからないし、流行なんてどんどん変わっていく、「ここまで完成させてから」ってあまりこだわっちゃいけない気がする。アイデアを持っている人はたくさんいるから、どう実現していくかってところからが勝負。失敗してもいいのさ!失敗した経験ってめちゃめちゃストーリー性あるから!講演会とかで、話してる人が失敗したことない人とかだと、聞いてて面白くないじゃん(笑)。みんな失敗談、割と好きだし(笑)。だから、本人が納得してるなら、病気もネタにすればいいし、失敗もネタにすればいいって感じで、とにかくやりたいことがあるなら行動することが大事!」

ここからは大海さんにSHAREのオフィス利用についてお話をお聞きしました。

入居の決め手は居心地のよさー

ーSHAREに入ったきっかけはなんだったんですか?

「デコ杖の商標登録をした時、登録したはいいけど使い方がわからなくて、どうやれば活用できるんだろうって悩んでた時に、SHAREで商標登録の説明会があったのがきっかけ。それが2013年の10月くらいだったんだけど、初めて来た時に『なんかすごい居心地のいい空間だなあ』って思って、次の月には入居するのを決めた。代表の齊藤さんに初めて会った時『うちにはいろんな人がいるけど、たぶん大海さん、みんなとすぐ仲良くなれるよ』って言われたのを思い出しちゃった(笑)。最初はなんだかんだ不安もあったけど、みんないい人たちだったからよかった。」

諦めなかったからものづくりができたー

ー工作機械を使うようになったきっかけは何ですか?

「最初はものづくりをしようと思って入ったわけじゃなかったんだけど、当時レーザーカッターが入り口正面にドーンて置いてあって、これは何物か?!って。で、見てたら使いたくなるでしょ?(笑)。でもレーザーカッターを動かすにはイラストレーターが使えないとダメだから、独学でやってみたけどさっぱりちんぷんかんぷんで、教室にイラストレーターを習いに。私はアクセサリー作りとか、指先を使った細かなものづくりが今はできなくて、でも、レーザーカッターとかUVプリンターでパソコンを使ったものづくりができるようになった時に、自分がとっても進化した感じがしたから、私と同じように病気があったり障がいがあったとしても『諦めないで』って思う。そして病気になったおかけで、私はワンランク上のものづくりができるようになったかな。」

SHAREは人生のターニングポイントー

ー大海さんがSHAREに来て変わったこと、広がったことなどあれば教えてください。

「もう全て変わったよ!人生180度!(笑)。実は「にっぽんの福祉をかわいくしたい」っていうコンセプトも齊藤さんが考えてくれていて、こんな素敵なコンセプトがどうして生まれたのかっていうと、私がやってきたことを普段からずっとみてきてくれたからだと思う。名刺とかホームページ制作でもお世話になったし、今の活動の原点はSHARE。会員さんにも、福祉の可愛いキャラクターをデザインしてもらったし、デコ杖ピアスとか、車椅子ピアスの3Dデータを作ってもらったり、ウォーリーイベントやったりもね。もうここなしでは自分を語れない(笑)。」

ーSHAREについてどう思いますか?

「この場所にただの会員としているんじゃなくて、自分もSHAREの一員として盛り上げていかないとダメだなって思ってる。SHAREは打ち合わせスペースとしてもすごくいいし、アクセスもいいし、自分の事務所として紹介する時にも話のネタとしてすごくいい。あと、工作機械利用に関してスタッフさんがすごい知識があるから安心できる。スタッフサポートが充実してるから、制作時間の効率も良くなるし、ロスもすごい少なくなるから本当にありがたいです。」

夜でも明るく楽しいSHAREになってほしいー

ーSHAREに今後何を期待しますか?

「私は24時間会員なんだけど、夜に人が少ないのがちょっとさみしい。夜じゃないと出ない雰囲気ってあるじゃない?前はボードゲーム部ってのがあって仕事帰りにフラーっとスーツきた人たちが入ってきて、笑い転げてる。ああいう雰囲気が好きだったなー。私はやらないんだけど、みてるのが好き。大人の気晴らし(笑)。アイデアって笑いの中から生まれることの方が多いし、お酒飲みながら仕事できる空間があったりしたらよいよね!」

creators file 第10号の大海恵聖さん、ありがとうございました!

CreativeLounge SHAREのオフィス「TOWORK」では札幌を拠点にビジネスを始めたいと考えている起業家、個人事業主の方をサポートしていきます。ビジネススクールなどの創業支援事業はもちろん、多彩な工作機械を備えたガレージスペースもあるので、自分のやりたいことを実現することができます。無料説明会も随時開催しておりますので、お気軽にご相談ください!

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