雑貨小物から特注家具まで! 詰め込まれた職人技が光る craft×craft 渡来拓郎さん。

インタビュー

札幌を中心に北海道で活動するクリエイターを、多彩な工作機械だけでなく情報発信からも応援したいとスタートした「シェアガレーヂ ~SAPPORO ものづくりコミュニティ~」。今回インタビューのマイクを向けたのは木工職人の渡来拓郎さん。実は、ものづくり界のオリンピックと呼ばれる技能五輪 金メダリストの職人さんなんです。技術に裏付けされた商品制作へのこだわりや、ものづくりの原動力など深いところまでお話ししていただきました。木工の世界へ一歩踏み出したい方、必見です!

渡来拓郎さん
木工職人。
帯広高等技術専門学校造形デザイン学科卒業後、株式会社匠美社入社。
そこで、家具職人として経験を積む。
その後、札幌市立大学工房職員として勤務しながら活動の幅を広げる。
2014年、craft×craftとして特注家具をメインに制作を行う。
受賞歴 第45回技能五輪全国大会 建具部門 1位

 

ーではさっそく、渡来さんがものづくりに目覚めたきっかけを掘り下げていきたいと思います。

「元々、小さい頃から何かを作ることが好きでした。小学生の時、親から木のりんご箱をたくさんもらって、それを解体して出てきた釘や端材を使って小屋なんかを作ったりしていました。なので、デザインを学びたくて建築系の専門学校に進みました。でも入ってから気づいたんですけど、実は職人を育てる学校だったんです笑。建築のことは学べなかったんですが、ものづくりが好きだったので、こっちの道でもいいかなあという軽いノリでした。」

ー建築デザインと職人ではかなりギャップがありますね笑 どうして家具の世界に惹きこまれたんですか?

「鋸(のこ)、げんのう、鑿(のみ)などの手工具を使えば、たくさん技があって、いろんな加工ができて、いろんなものが作れるんだってことがわかって、ものづくりの幅が広がったんです。職人の勉強をしていくうちに、技能五輪という大会があることを知りました。僕は「建具(たてぐ)」という部門で技能士の免許を取るために参加したんですけど、そこで優勝することができたんです。」

ーすごい!職人オリンピックの金メダリストなんですね!

「実はそうなんです笑 学生時代の知識や経験が、ものづくりの世界にどっぷりハマっていくきっかけになりました。」

ー初めて商品を制作したきっかけはなんですか?

「大学で職員をしている時に、学生から大学祭のアートマーケットに一緒に出店しないかと誘われたのが最初でしたね。それまでは、知り合いから個人的に受けたオーダーを材料費分くらいの値段で作ったりしてた程度で。そして、大学祭で出したのが家型の箱だったんですが、すごく売れたんです。これはいけるんじゃないかなって。」

ー家型の商品は他にも種類がありますが、やっぱり一番最初の商品だったということで愛着があるんですか?

「そうですね。あと、どんなに小さい形でも「家だ」ってわかりますし、例えば時計の商品があるんですけど、5時の部分を家型にくり抜いて「帰る時間だよ」って見せることもできるのがかわいいなあって思います。」

ーcraft×craftではどのような仕事をしているんですか?

「特注家具のオーダーをメインで承っています。図面があったり、お客様の希望を聞いて形にしていますが、大手の家具屋さんが普通扱わないような木材で制作できるのが強みだと思っています。雑貨小物は特注家具の制作で余った端材を使用しています。制作は全て自分でデザインしています。物によっては金属のパーツなどを使うものもあるんですが、これもデザインに合わせて自分で作っています。」

例えばこのマスキングテープカッターのテープの芯を差し込む部分は、後から貼り合わせたパーツではなく、切り残しているんです。普通の人なら怪我をする恐れがあるやり方を、木の性質や機械の特徴を理解し、無理なく制作できるようにしています。家具制作の方法を雑貨小物に応用しているって感じです。金属パーツは既製品なんですが、デザインに合うように全て調整し作り直しています。

ー材料へのこだわりはありますか?

「木工職人さんは結構素材にこだわっていたりするんですが、僕は木材へのこだわりはありません。綺麗なものも節が入っていて使いづらいものも、木は木だと思って制作しています。木材の良し悪しは技術でカバーできるので。」

ー技術に裏付けされたものづくり(かっこいい)。。。商品のアイデアはどのようにして生まれるんですか?

「僕は自分が生活している中で、こんなものあったらいいなとか、こんなもの欲しいなっていうものを形にしています。誰も持っていないようなものを作って、お客さんに”こんなもの考えたんですけどどうですか?”というスタイルで商品制作していますね。”自分が欲しいものを作る”っていう原動力の方がいいものができると考えています。なので、お客さんの反応のが良かったものだけを図面化して量産しているので、常に商品が入れ替わっているよう状態になっています。」

ー商品のほとんどが一期一会の限定品のような感じなんですね。

「イベント出店は年に3回ほど行なっているのですが、「あの時買えばよかったあ」と言ってくださる方もいたり。でも、毎回新商品を求めて足を運んでくれるお客さんの方が多いんです。現在、craft×craftとして本格的に活動を始めて4年目になるんですが、イベント出店以外でお客さんと繋がるためのツールをほとんど活用していませんでした。でも、お客さんからのお問い合わせが多くなって来たこともあり、現在ネットで商品を買えたり情報発信をしていくためのホームページを準備してます。今後の目標としては、雑貨小物から特注家具までのショールームを作ることですね。」

ーものづくりオフィスSHAREとどのようなコラボレーションができると思いますか?

「商品にはcraft×craftのロゴマークを焼印しているんですけど、色合いや焼き付ける場所を一定にしたいなあと思っていたので、レーザーカッターを使いたいと思っています。あと、切削加工機があるので、複雑な紋様を彫刻してみたいですね。あと、ワークショップなどでコラボレーションができれば、僕が普段工房で使っている機械を導入して、使い方やコツなど、技術的な部分も伝えらる内容にしていきたいと思っています。木工系のものづくりをするには高額な初期投資が必要になる場合が多いと思います。実は僕の工房は、木工機械をシェアしているので誰でも使用しに来ることができます。SHAREGARAGEで開催するワークショップをきっかけに、ものづくりをしたいけど環境がない人たちの手助けになれればと思っています。」

creators file 第7号のcraft×craft 渡来拓郎さん、ありがとうございました!SHAREGARAGEとコラボレーションすることで新しいデザインや商品制作が可能になるに違いありません。

SHAREGARAGEは作家さんの活動をサポートしていきたいと考えています。ワークショップを開催したいけど場所がない、自分で広報活動をする余裕がない、などの問題を一緒に解決していくことができます。また、レーザーカッターやUVプリンターといった多彩な工作機械とコラボレーションしたワークショップを企画開催することもできますので、ぜひご相談ください!ものづくりの幅が広がるきっかけになると思いますよ。

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