草原とストーブ 安田 暖々子さん
羊と金属とアクセサリーの融合を
草原とストーブ 安田 暖々子さん
札幌を中心に北海道で活動するクリエイターを、多彩な工作機械だけでなく情報発信からも応援したいとスタートした「 SHAREGARAGE ~ SAPPORO ものづくりコミュニティ~」。今回インタビューのマイクを向けたのは、自然や動物をモチーフに独自の世界観を披露する彫金アクセサリー作家 草原とストーブの安田暖々子さん。今回は、ものづくりに目覚めたきっかけから現在の活動について、また今後の目標についてもお聞きしました。また、SHAREGARAGEのレーザーカッターを使って什器製作をしていただいた様子もレポートします!
彫金アクセサリー作家
草原とストーブ 安田 暖々子さん
2008年 筑波大学芸術専門学群 卒業
2009年 彫金教室にて彫金を学びはじめる
2017年 草原とストーブ設立
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安田さんと羊の関係ー
ー彫金をはじめたきっかけはなんですか?
「大学のときからいろいろな作品を作ってきたのですが、『金属』というものを扱ったことがなかったので彫金教室に通い始め、その流れで今は彫金アクセサリーを作っています。学生の頃からずっと羊の作品を作っていたのですが『羊を金属にしたらどうなるんだろう』と思ったのがきっかけのひとつだったかもしれません。」
ー羊のモチーフが多いほかの理由は?
「なんとなく愛着があるんです。アート作品のモチーフとして面白いと思っていて。たとえば羊をたくさん並べていると、犬や猫が並んでるのとはちょっと違って、なにか意味があるんだろうと思ってもらうことが多いです。いろんな物事の象徴になっている動物だからだと思うんですけど、その人それぞれの捉え方をしてくれることが面白いと思っています。」
ー1番最初の作品もやっぱり羊でしたか?
「そうです、羊のネックレスです。」
ー今まで扱ってきたことがない素材からできた羊、どのように思われましたか?
「『アクセサリー』というかたちになったことで身につけるという用途が生まれた。それでまた存在が違うものになった気がしましたね。」
用途が生まれる作品をつくるようになった変化ー
ーアート作品から、用途が生まれる彫金アクセサリーへ。その変化で苦労した部分はありますか?
「今もとても難しいと思っています。商品なうえに、アクセサリーだというのがとても難しくって。雑貨ならまた違ったかもしれないけど、アクセサリーってファッションだから洋服に合わせたりしますよね。そこに動物というモチーフを組み込むのはときに困難を感じます。今まで自分の好きな造形物を作ってきたので、ファッションに合わせることを考えるのが私にとっては苦労します。」
ーどうやって作品を生み出していますか?
「最初は羊を作っていたんですけど、その隣に馬があったら面白いな、その隣にロバがあったら面白いな、と思って。全部を並べたときに、あぁやっぱり私は山とか森とか牧場みたいな自然が好きなんだなと思いました。父親が山スキーをする人だったのでニセコに山小屋を持っていたんです。小さいときから週末は森の中で生活するみたいな環境があったので、そういうのが今、自身のアイデンティティとして作品に出てくるんだと思います。」
ブランドコンセプトは
自然や生命の中に見る美しさ
自然と不自然の面白さ
自然と人間・人工物との関わりについて
考え、語り、提案するジュエリー
安田さんのつくる世界観をのぞかせてもらいました。
ーやりがいを感じるのはどのようなときですか?
「人に出会うのがすごく面白いです。作品をつくることは私と世の中を繋いでいるものだと思うので、社会に参加している気持ちになります。」
ーどういうイベントに参加していますか?
「メインで参加しているのは、チカホのグリュック雑貨マーケット(※1)、あとは百貨店の催事に出展したり。新千歳空港のクラフトスタジオ(※2)に常設しています。」
ー最後にお聞きしたいのですが、やっぱり一番好きな動物は羊ですか?
「実は一番好きな動物は猫なんです(笑)。でも猫のモチーフのものは基本つくらないですけど。羊は、わたしにとって気になる存在です。なぜか親近感が湧くんですよね。」
安田さんにとって、”気になる存在”である羊という動物。
これからも、どのような方法で安田さんのアイデンティティを見せてくれるのか楽しみです。
※1)主に札幌駅前地下歩行空間で開催される、国内外の雑貨や洋服、古物、アクセサリーなどのアイテムやパン、珈琲などを販売する雑貨市。
※2)北海道生まれの雑貨・工芸品を扱う新千歳空港最大級の雑貨セレクトショップ。
ここからは安田さんにSHAREGARAGEのレーザーカッターとコラボレーションしてもらいました。
Adobe Illustratorでデータ作成ー
今回は展示用の什器に使用する木材にレーザー彫刻加工を行います。
彫刻データを【R:0/G:0/B:0】治具データを【R:255/G:0/B:0】で作成しました。
彫刻の深さを確認ー
今回使用する木材に対して、どのパラメーターに合わせて彫刻をすればいいのか、またその後塗装した場合の見え方など複数のパターンを作成し確認していただくことにしました。
今回の彫刻パラメーターは【Power:30/Speed:40】に決めました。
印刷開始ー
彫刻する材料の高さがそれぞれ違うので一つずつ印刷していきます。
あらかじめ彫刻していた位置に合わせて材料を置きます。
「想像していたよりもずっと速く彫刻してくれるんですね!出来上がりが楽しみです!」
印刷終了ー
「彫りの深さもちょうどいいです。イラレのデータから作れるので思ったより簡単にできることがわかりました!」
その後持ち帰って製作していただきましたー
「無垢の木に彫ったままも素敵でしたが、塗装するとガラッと雰囲気が変わりました。自分のイメージよりもずっと高級感のある仕上がりになり大満足です。」
すごくシンプルで美しい什器になったようです。丸い材料にブランドロゴを彫刻したものは鏡になっており、お客様が試着したいときにご覧いただけると思います。草原とストーブが出店してるイベントに足をお運びの際は、SHAREGARAGEとコラボレーションした什器も合わせてみていただければ幸いです。
creators file 第20号 草原とストーブの安田 暖々子さん、ありがとうございました!
SHAREGARAGEは作家さんの活動をサポートしていきたいと考えています。ワークショップを開催したいけど場所がない、自分で広報活動をする余裕がない、などの問題を一緒に解決していくことができます。また、レーザーカッターやUVプリンターといった多彩な工作機械とコラボレーションしたワークショップを企画開催することもできますので、ぜひご相談ください!

使う機械が決まっていて、しかもそれが毎月数時間の場合、ビジター利用を利用するとやや高額になります。そんなときはガレージ10会員を選びましょう。最大40,000円分の料金が10,000円まで下がります。
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